中高生&青年が準備し子どもが楽しむなか、

大人が変わって行ける場所へ。

子どもがつくるまち・ミニいちかわ(千葉県市川市)

【写真】

開催場所は地域の大型公園を利用。市の南地域に位置する行徳駅前公園で第1回を開催。2005年からは、市の中央に位置する「大洲防災公園」も会場となり、より多くの地域のこどもをカバー。2003年の初開催以来、中高生や青年会員が中心となって実行組織をつくり、大人は後方支援に回る仕組みを確立している。

公共系、食べ物系、工作系を中心におよそ40余りの仕事があり、まちが機能しているが、昨年から1日の参加者が1200人を超え、この需要に合わせた仕事を用意出来る仕掛けをふんだんに盛り込んでいる。たとえばもともと食べ物系ブースの種類は手厚いが、その綿あめ、サンドイッチ、フランクフルト、ホットドッグ、おにぎりなどのそれぞれのパッケージとなる包み紙を子どもたちが作り、絵が書かれている。これは食べ物系の仕事にも工作の担当者がいることを示している。また、2007年は文具のレンタル屋さんが登場し、ブースそれぞれの内なる展開を材料面から支援できるようになっていた。

2006年には当日のミニいちかわ内に「ミニいちかわ」ブースを設けて「どのようなミニいちかわがいいのか」など、開催のアイディアを提案し合うなどをし、次回開催へのヒントとしたり関心のある子には次年度のスタッフにも誘う工夫をもった。

中高生が世代間の結び目に

中高生・青年約40人前後が中心となり、毎年5月頃から「ミニいちかわ」の準備、開催を担っている。月2〜4回のスタッフ会議を開催、毎回平均15〜20人が集まり「ミニいちかわ」のしくみを考えていく。また開催当日彼らは、まちの運営の中心を担う。当日スタッフは、彼らから更に声をかけて約60人の中高生・青年スタッフで構成され、当日のまちの運営にあたる(同時に当日関わる大人スタッフも組織し、後方支援として主にまちの店舗の準備を担う)。中高生(と青年)が運営スタッフとなることで、市民となる子どもたちとの異年齢の関わり生まれ、大人ではできない効果を生んでいる。今後は、中高生スタッフ同士の思いの差を越えて、全てのスタッフが良い関わりを持てるためにどうすべきかを考えあって行きたい。

大人が変わっていく場所へ。

大きな公園の中を3重に使い、子どもが闊歩で切る空間、お店などのテント、そしてその外側が大人が滞留する場所、となっている。子どもを送って来た大人達の居場所があるなか、積極的に「一日大人サポーター」として当日スタッフを受け入れるシステムを導入し、我が子以外の子どもたちに目が行くことで、子どもの力に驚き、こどもが主体的に参画することへの意識の変革を促す効果があることが分かっている。彼らに対しては、受付後に丁寧に「大人の心得」を説明し、ミニいちかわの原則である「こどもを見守り、手出し口出しはしない」ことの理解を促し協力を得ている。ただ、幼児付き添いの大人に対しては意識付けが難しく子どもへの「口出し」も多い。幼児の参加をどうしていくかは今後の課題となっている。

そのほか、2007年では佐倉のメンバーと一緒に、放送局にラジオの機能を持たせることが出来たが、事後には翌年の横浜からの出店意向が示されるなど、立地の優位さもあり、交流の結び目としての可能性が示唆されている。