市民自治の推進を図る団体が始めた、

自治のひな形と子どもの参画。

こどものまち・ミニミニさっぽろ(北海道札幌市)

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市民自治の推進を図る「市民憲章推進会議」の主催で開催。二〇〇六年は閉校になった札幌市都心部の小学校の建物・敷地を活用して実施、二〇〇七年は子ども未来局主管の事業として産業展示にも使われる道営ドームでの開催となった。二〇〇六年の試行時の「小学校3、4年生」という対象限定を二〇〇七年も踏襲。学年の推移を見越して集め方や対象への工夫を思案している。

札幌市では二〇〇六年一〇月に、「市民が主役のまちづくり」を進めるためのルールである「自治基本条例」を施行した。この条例が目指しているのは、今から三〇年以上前に制定された「札幌市民憲章」が目指す住みよいまちづくりである。そこで未来を担う子ども達に、この市民憲章に盛り込まれている働くことやルールを守ること、きれいな街をつくることの大切さを、仮想空間での経験を通じて学んで欲しいと開催することとなった。二〇〇七年からは主管を同市の子ども未来局に移して事務局運営をしている。

街は多くの仕事(38の仕事ブース)が用意されたが、それでも失業者が溢れる状態で、ハローワークには長い列が出来る。食べ物や工作、遊びのコーナーなどに加えて、市民センターや清掃局、新聞社や放送局と言った基盤的な仕事を網羅する一方で、まだ市長選挙を行なうには至っていない。なお、同伴してきた保護者は分離され、外から眺める仕組みとしているが意外に大人立入禁止の区域に入ってきてしまい、子どもに注意や指示をする場面が一部に見受けられた。保護者へのルール徹底については、ひきつづき課題であると認識している。

準備、そして当日

二〇〇六年の第1回の開催に向けては、6月末〜7月初めにかけ、佐倉、市川、四日市の3事例を視察後、九月中旬の本番に向けて準備を行った。初開催で試行的要素が強く準備期間も短かったことから二〇〇六年は準備に子どもたちが関わっていなかったが、二〇〇七年では会場計画などで近隣の小学生の協力を得た。準備を進めた大人のコアメンバーは一〇人(市民憲章推進会議事務局である札幌市市民まちづくり局振興課職員)。これに当日は一般ボランティア二十三人、市職員ボランティア六十三人、市所管部局職員十四人が加わった。彼らは、子どもの自主性を尊重しながら、真に必要な場面で的確な助言をするという忍耐力や注意力、判断力が求められる。今回は、スタッフの人数や事前説明も十分とはいえずボランティアに多大な苦労をかける結果となってしまったことが反省点である。

広報面では小学校長会に依頼したことから、市内全小学校を通じ、対象である小学3・4年の児童全員にチラシを配布し、おかげさまで予想を上回る入場者があった。