大きな商店街と公園を会場に、

大人も楽しめる車いすタクシーや街なかクイズ

あそんで、かせいで、まちをつくっちゃう・こども四日市(三重県四日市市)

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縦横に広がる大きな商店街と隣接する公園が会場。通りにはアーケードがあり、車両 は進入禁止になっているため、雨と車の心配が無い。その中でのびのびと子どもたちが飛び回り、商店街の看板等を利用した間違い探しや、なかには清掃局の仕事として商店街のゴミ拾い掃除を楽しそうにしている子どもたちの姿もあって、ずいぶんと地域密着型。

2000年にミニミュンヘンに視察に行った後、おまけ横丁などの「こどものまち」に繋がる取組みを経て、2004年夏に四日市市諏訪栄町(中心市街地)の商店街に隣接する「すわ公園」で第1回を開催。公園内の「すわ公園交流館」で、同市内にある子どもの本の店・メリーゴーランドが子どもの集まるイベントの開催を依頼されることから始まった。

特徴

こども四日市は、親方制度を採っている。このため、給料は銀行からではなく、それぞれの親方(店長=大人)から貰う仕組みとなっている。なお、まちには銀行もあり、各ブースの人数に応じてお給料を持って行く「外回り」の仕事がある。その他、車いすタクシーが子どもたちの仕事として大人気。「共通チケット」を用意していて、それを手に入れれば大人でもタクシーに乗ることができる。

最初から用意される仕事だけでなく、こどもたちでまちや仕事をつくることもできる。二〇〇三年は、公園に段ボールで家を建てるルールにした。ただし屋外の会場なので、一日ごとに片付ける必要があり、段ボールの家などで継続して遊ぶことができないのがつらいところ。仕事づくりは「フリーマーケットがしたい」との意見があり、二〇〇四年からは、商店街の通りでフリーマーケットも開催している。仕事に就けなかった子どものために商店街の看板を探す「まちなかクイズ」を実施。 2006年は、ひまで口出ししたくなる大人も「まちなかクイズ」に参加できるようにもした。また、こども四日市でかせいだ通貨(ヨー)を使えるイベントを月一回開催している。

準備

こども四日市プロジェクトのコアメンバーは6名いて、それぞれ役割分担をしているが、代表格は重盛ペンギン。日ごろ「あそびじゅつ」という子どもの造形教室をメリーゴーランドで開いている。大人サポーターというリーダースタッフは、月1回のサポーター講座に参加する20名強(うち学生のスタッフが5名)。当日参加の子どもの集め方は、市内の小学校の全生徒へのチラシ配布のほか、市の広報、地元のケーブルテレビ、新聞等のニュースとしての取材などで告知してもらっている。初回の二〇〇三年から、予想を上回る参加者数で準備物が足らなくなり入場制限(一日あたり六〇〇人)をすることになってしまった。以降は一〇〇〇人規模で準備をしている。